2005年09月01日

原作・綾辻行人/漫画・佐々木倫子『月館の殺人』上

アニメ「MONSTER」観てるとこれのCMが入ります。
雪の中を走る列車、豪華なインテリア、ロングヘアの女性などの映像。
列車のなかで起こる事件なのか。
それとも雪に閉ざされた山荘で起こる事件なのか。
「つきだて」が現場なのか目的地なのか、それでもこういうタイトルなんだなあとちょっと微笑ましい。

原案が綾辻先生とはいえ、物語は佐々木倫子の世界
絵や描き文字や間(ま)が絶妙。
普通、素人探偵だけであっても現場検証はもっと緊迫感がありそうなものなのに、このドタバタコメディっぷりは一体。
被害者が不憫です。
オープニングはしっかり綾辻行人ですね。
フラッシュバックは下巻でさらに効いてきそうです。

ここから先はネタバレがありますのでご注意ください。

鉄道に乗ったことがないヒロイン空海は沖縄育ちで天涯孤独。
ところが会ったことのない祖父がいると知り、列車「幻夜」で北海道へ。
初めての雪、初めての北海道、初めての鉄道。
しかし乗り合わせたメンバー、杉津、今福、沼尻、竜ヶ森、中ノ郷は揃いも揃って…

鉄道オタクだった(笑)。
うちの大学にもあったなあ、鉄道研究会。
何やるところなのか当時はよく解ってなかったけど、この作品のおかげで鉄さん(鉄ちゃん?)にもいろいろいることがわかりました。
同好の士が集まってしまっていて、1人その世界についていけないヒロインに対し、憧れの列車に乗ってハイテンション、微妙な見下し感のあるメンバーたち。
今福とか気に障るんだけど、そういう世界の存在はわかるし憎めない(憎む気にもなれない)、そういう絶妙の描写です。

ヒーロー役なのだろうか、日置さん
おいおいいきなり知らない男に空海を託しちゃって大丈夫なのか弁護士さん!
と思いきや、もの凄く特殊なのね、幻夜は。だからか。
まさか7人しか乗ってないとは。
冷静で常識的な人みたいだし、一方でテツでもあるなら、このメンバーの中にあっても探偵役がつとめられそうだ。

………ところが。
事件は起こった。
ここがいちばんのサプライズでした。
なんで……?
「資格がない」ってのは、フラッシュバックがらみなんじゃないのか?
踏切のこちら側にいるのが空海と日置さんだと思ったのに(さらに言うなら綾辻作品らしく、当事者だけど「資格がない」のだと思ったのに)。

ラストシーンでもうひとつのサプライズ。
…ほんとに「月館」!?
つまりアニメや実写では難しいギリギリのフェアプレイだってこと?
カタンカタン揺れて、車輪が動く音がして、汽笛が鳴って、煙も吐いて、駅やハエタタキを通過して、それも全部!?
だから洗熊をはねたりしないし餌づけもできるのか。だからルール違反か!
流石は綾辻行人、シュミに走ったモノつくるなあ…

連載誌のIKKIではちょうど第2部が始まったところだそうです。
下巻が出るまでどれくらいかかるだろう。

冒頭の水色の服の父親を死なせたテツが目撃者を消して回ってるのが関東の連続殺人事件だろうか。
幻夜のテツのなかに狙われそうな人物がいる、だが当人はそのことに気がついていない。
気がついていたとしたら、それが日置だったのかな。
父親を呼んでいたこどもは年齢的に日置、沼尻、竜ヶ森あたりか。
空海はいかにもミスディレクションっぽいし。
もし空海だとしたら、おじいさまは空海に思い出させようとしてることになるかな?
だとすると、なぜ山口なのか。
「いつも見に来てる」なら山口は変だ。空海の記憶から抜けてるのか。
置いてあった三脚が4つ、新たに加わった三脚が2つあったから、連続殺人は6人でとまる?

犯人がおじいさまという可能性もある。
幻夜をつくったのがおじいさまなら究極のテツだよな。
エサで釣ってテツが集まってきたところを皆殺しにできるなあ。
その場合は、おじいさまが犯人、冒頭の父親の死が第0の殺人。
こどもは日置以外かな、あとでフラッシュバックの意味が描かれるはずだから(って嫌な読み方だな)。
幻夜のなかで殺される理由がわからない。
何か気がついてしまったからか? だとすると、ここまでに重要なヒントがある?
ヤヲイ信号場のおばあさんの話が伏線だったりしたらお手上げだ。
手がかりが少なすぎる…よな。まだ、たぶん。

でもなあ、ミステリ読者相手に描くミステリとは事情が違いそうだし、こどもは空海かなあ…
(考え込みながら終了)

続きは「月館の殺人」カテゴリで。
posted by かなつ at 00:08| Comment(0) | TrackBack(1) | 『月館の殺人』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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★「月館の殺人」を推理する人々
Excerpt: 漫画「月館の殺人」(漫画:佐々木倫子、原作:綾辻行人)データ集 上巻発売から3週間、IKKI本誌でも第二部がスタートしました。 単行本でじっくり読み込んで、新しい物語を待ち??
Weblog: 幻夜号待合室--「月館の殺人」データ集
Tracked: 2005-09-04 01:23
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